Diary

珈琲の美味しい喫茶店

先日、お仕事で新宿三丁目の喫茶店へ行きました。

喫茶店といえば、美味しい珈琲と軽食というイメージ。というのも、わたしが子供の頃、母方の親戚が地元の駅前で喫茶店を経営していました。
薄暗くてレトロな内装の店内に、これまたレトロなテーブルと椅子(子供だった当時のわたしにレトロという概念は無かったけれど)。そして珈琲の香り。子供のわたしにはオトナの世界な喫茶店。駅前開発で立ち退きになるまで経営されていて、母のおつかいでときどきこの喫茶店を訪れることは密かな楽しみでした。

話を戻して
仕事で訪れた喫茶店で珈琲をいただきました。

ケチなうえにいろんな意味で”余裕がない”ので普段は喫茶店に入ることはありませんが、久しぶりに喫茶店でいただいた珈琲の味があまりにも美味しすぎて感動しちゃったもんだから、昨日、ピアスを開けるために予約している病院の時間まで喫茶店に入って、美味しい珈琲を飲みながらまったりのんびりと時間を潰すことにしました。

仕事では2軒の喫茶店をとりあげたのですが、そのうちのもう1軒は訪問していなかったので、そちらに行くことにしました。しかし、お店に入ってメニューを見たところで、このお店に入ったことを激しく後悔。

そういえばわたし、こっちの喫茶店の内容はまったく確認していなかった・・・。

広島の宝塚会館裏に「あべがわ餅」「わらび餅」と書かれた紙を窓に貼られていた喫茶店がありました。こう書くと和風喫茶店を想像されるかもしれませんが、大きな窓から窺える店内は「あべがわ餅」がまったく似合わない、コテコテのヨーロピアンな雰囲気。その成金ちっくな店内の雰囲気とあべがわ餅の張り紙のアンバランスさが、WIZ WONDERLAND(現在ドンキホーテ)に行くたびに気になっていて、お店の前を通るたびにチラ見していました。

当時、学費を稼ぐためにアルバイトを複数掛け持ちしていた私は、学校の先生がWIZの仕事をされていた関係で、WIZにある雑貨屋さんのバイトを紹介してもらい、土曜日の、私の他のバイトのスケジュールが空いている時間帯にシフトを入れてもらうという融通を利かせてもらって働いていました。

そんなある日、WIZの雑貨屋でのバイトのランチ休憩に以前から気になっていたあの喫茶店へ、ナポリタンを食べる気満々で行きました。しかしこの喫茶店は、あべがわ餅とわらび餅はあるのに軽食は無みたい。喫茶店なのに軽食がないこと、そしてランチタイムでナポリタンを食べる気満々だった私はショックを受けながらも「じゃぁいいです」と言って退店する勇気もなく、とりあえず喫茶店だから珈琲は飲むことにしました。で、無難なブレンドコーヒーを注文。上品だけどどこか冷たい雰囲気のマダム、いかにもヨーロピアンな高そうなカップに注がれた珈琲と、頼んでもいないのに勝手に添えられたクッキーが1枚。

親戚の喫茶店では、当時のわたしはまだ子供だったので珈琲は飲んだことがなかったけれど珈琲の良い香りは嗅いでいました。でもこの珈琲は香りが微妙。また、当時広島駅前にあった純喫茶パールの珈琲は美味しかったのに、この珈琲は味も微妙。

そしてさらに追い討ちをかけるショッキングなコトが!

モヤモヤしながらお会計をすると「1600円」というではありませんか!聞き間違えたかと思ってもう一度聞くと、上品なマダムの、真っ赤な口紅をひいたくちびるが「1600円」と冷ややかに言う😱
珈琲しか頼んでいないのに、1杯しか飲んでいないのに、勝手に添えられていたクッキーの値段?にしても高過ぎる!(今思えば、あべがわ餅やわらび餅はいくらだったのだろう?誰か知っている人、いないかなぁ?もうお店がないので検証できない。)

立ち直れないほどのショックとダメージを受けながらバイト先に戻り、店長に「珈琲1杯と勝手に添えられていたクッキー1枚で1600円とられた」と告げると「あのお店は器を楽しむ店じゃけぇねぇ」と優しく言われました。

はぁ?何じゃそりゃ?じゃけぇあのマダムの蔑むような冷たい眼差しは「あなたのような器の価値も良さもわからない貧乏人が来るお店ではないのよ、もう二度と来ないでちょうだい」っていう視線だったのね(👈完全に被害妄想)

17時からはWIZ近くのしゃぶしゃぶ屋でバイト。モヤモヤな気持ちがおさまらない私は、仲居のおばちゃんたちにも悪口を垂れまくり。仲居のおばちゃんたちからも「あそこは器を楽しむ店じゃけぇ、ガハハ!」と、雑貨屋のバイト先の店長と同じことを言われ笑われてしまいました。

器を楽しむ喫茶店?マジ意味わからんし?じゃったらせめて美味しい珈琲淹れろよ!と文句垂れまくった記憶が蘇ってきました。

アイスコーヒー1190円と書かれたメニューを見て、は!っとなり店内を改めてじっくり眺めると、高そうな器がずらりと並んでいる。ケーキは1600円〜。あの悪夢の喫茶店で払った金額と同じだ。紅茶も1190円以上💦ジュースはさらに高い💦え?こっちの珈琲は2495円?心臓バクバク💦とにかく、わたしのような貧乏人が気軽に入る喫茶店ではないことはわかりました💦

とりあえずアイスコーヒーを注文💸こんな強気のお値段なのできっと感動するほど美味しいに決まっている。

しかし、あれ?香りがしない?ひとくち飲んで、あれ?味も薄い?風味もない?もしかしてわたし、自覚症状がないだけでコロナに感染して味覚障害になっているとか?何度も何度も確かめるも、やはり香りがしない。ゆっくりとひとくち飲んでは風味を感じようとするのに、珈琲を飲んだときの鼻から抜けるあの感じがしない。

今回は自分の確認不足のせいだからとりあえず諦めるとして、早々に会計を済ませて、気持ちを立て直すために別の喫茶店へGO!

ということで次に向かった先は珈琲西武。しかし!階段下まで行列が!でも、喫茶店に入るための行列ではない可能性もあるので最後尾の人に「何の列ですか?」と訊くと「珈琲西武の列」と言うではありませんか!

病院の予約時間まであと30分。行列に並ぶ時間はありません。でも気持ちもおさまりません!

結局病院向かいにあるチェーン店でアイスコーヒー(¥231)と濃厚ポルチーニクリームのパスタ(¥583)を注文。合計814円。
さっそくアイスコーヒーをひとくち。美味い。風味もある。香りもある。

わたしのような貧乏人の貧乏舌では1000円以上の珈琲の味がわからないのかもしれません。きっとわたしの舌の、味覚の問題なのでしょう。きっとわたしの鼻の、臭覚の問題なのでしょう。

病院では予約時間から1時間半も待たされ、今日感じた様々なモヤモヤを晴らすために電車には乗らず、冷たい空気を全身に感じながら歩いて帰宅。
帰宅後すぐにあの喫茶店を確認。動画の中で店主がこの器はウン十万とおっしゃっている…。

器を楽しむ喫茶店には二度と行かないと誓ったはずなのに、30年もの月日を経て再び同じ過ちをおかしてしまったわたし。まぁ今回のは自分の確認不足のせいであって学習能力の問題ではない(と、思いたい)とはいえ、香りのしないアイスコーヒーに1190円払ったダメージは、しばらく癒そうにありません。

ところで新宿三丁目の喫茶店でいただいて感動した珈琲はなんぼじゃったんじゃろうか?会社の経費でのお支払いでわたしは払っていないのでわからないけれど、あの味なら納得じゃけどなぁ。

ということで次回は新宿三丁目の喫茶店に自腹で再訪して、あの美味しい珈琲をいただいてこの傷を癒したいと思います。

-Diary,